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良い季節になりましたね。
本日の天候は晴、昼間の気温は25℃、湿度56%と丁度よく、こんな日は窓を開けて鳥の声が聴きたくなります。
梅雨が来て、それが明けたら蝉が鳴くのでほんの少しの貴重な日々ですが、少しでも自然と触れ合う事で心が安らぎます。
これから家を建てたり、リフォームされる予定の方は、省エネや性能について良く調べて既に良く知って
いる方もおられると思いますが、北欧だけでなくEU諸国では住宅を建築する際には建材への性能表示が必要で、
その住まいがどれぐらい省エネなのかを色付きのラベル表示することになっています。
ちなみに、デンマークの窓はAからFまでのレベル分けがしてあり「A」が最も燃費がよく「F」が最も悪いランクです。
パット見で緑のAが良い、赤のFがダメと言う感じで誰でも簡単に判断ができます。
他にFSC認証かとか、どこの木なのか等も窓メーカーのHPでチェックできます。
国内で普及している窓のトップクラス(トリプルガラス/クリプトンガス封入/内外Low-E/樹脂枠)でも、
UW値が1.03W/㎡K、多少良くても0.8W/㎡K程です。(※当社調べ。低いほど性能が高い)
が標準にしている木製窓の性能ラベルでUW値は0.68W/㎡K、勿論、Aクラス、超低燃費の窓です。
日本の寒冷地基準と比較すると約3.5倍、ここ関西地区の基準だと約7倍の性能があります。
あとは窓や玄関ドアの開け方にも注意が必要です。まず、北欧には引き違い窓がありません。
日本の気密測定では、なぜかほとんど風の影響がない状態での測定ですが、北欧では論理的にそんな測定はしません。
気密測定時には風がしっかりとある状態、日本基準の5倍ほど圧がある状態を設定していますので、
普通の生活をした状態、強い風が吹く状態での条件をクリアできるような窓とドアに元々なっています。
そういった、家を建てる人がほとんど知らない部分に日本基準と欧州基準の違いが出ます。
もちろん、数値的な部分だけでなく、アルミや樹脂の枠を木製に、しかも質感にこだわった
木製サッシにすることで、見た目も美しく、手触りも数段上、上質な家具と同じものになります。
なので、北欧で窓は非常に大事にされています。
北欧では、極寒の日に薄着のまま暖かい窓際で雪を見ながらコーヒーを飲んだり、好きな音楽を聴いたり、
本を読んで、むしろ外と室内の寒暖差をあえて感じてHygge〈ヒュッゲ〉を楽しんでいます。
光と暖かさ、安らぎを与えてくれる窓。そこだけ手を抜くようなことはありません。
次に、北欧で銀行での住宅融資を利用して家を建てたり、リフォームする時の話ですが、
家全体での燃費計算をした資料の提出が必須条件で、希望金額、希望金利で借りようと思っても、
30年間の燃費のシミュレーションをして、上位AかBあたりをクリアしないと融資が下りない、
もしくは、非常に高い金利でしか借入れが出来ないことになっているそうです。
(当社DANSK DESIGNでは、国内2社の燃費計算プログラムソフトを使用しています。)
もし、北欧で日本の一般的な家を建てると考えた場合、多くの住宅会社が寒冷地仕様にしている、
アルミや樹脂、樹脂アルミ等のペアガラス窓(UW値:2.33W/㎡K程度)の窓を採用した時点で落第、
外壁や屋根など、他の箇所で挽回しても満足な借入れレベルまで上げることはまず難しいでしょう。
しかも寒冷地で陸屋根、鉄骨構造、アルミサッシの家を建てると、完全に変わった人扱いされてしまいます。
また、融資の申し込みを受けた金融機関は日本と違い、不正が無い様に書類だけでなく、現地での検査も
しっかりと行いますので誤魔化しがききません。
仮に住宅ローンを利用せず現金で購入されるとしても、A、B以下だとはっきりと住み心地が悪くなりますし、
いつか売却する時が来ても、Aクラスまでの断熱改修をしないと、資産価値が低くて売れません。
日本の金融機関でも一定の条件をクリアすると金利の優遇や所得税の控除などが受けられますが、
住宅性能としては、窓以外にもそれほど厳しい基準が無いので、自身でそれを超えて性能を高くしたり、
県産材をつかう、自然素材を使うなど、頑張って全体の質を上げても金融機関にはほとんど評価されません。
その為、本当に良い性能の家を建てる努力をするメーカーや工務店がまだ少ない状況です。
なので、建築する会社がリードして品質の良い家を建て、本当に心地よい家にすることが必要です。
性能を上げることで省エネ以外にもヒートショックなど健康面での事故が確実に減ります。
良い家は暖かいだけでなく、上手く生活すればカビが生えず、ダニもゴキブリも来ず、
健康への投資としても、ちょっとしたサプリを飲むより長寿効果があるのではないでしょうか。
他に、EUでは高性能住宅・建築への無利子ローン、性能の高い窓や断熱材を買うだけで所得税控除、
電気自動車は駐車料金タダ、太陽電池を載せなくても薪ストーブやペレットストーブなど、
バイオマス暖房器具なら補助金を出すなど、人々が取り組みやすく、わかりやすい様々な試みが
EU諸国全体で実施されています。
知った人だけ暮らしが変わる住まいに住んでみませんか。