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北欧デンマーク人の考え方として、「良いものを長く使う」ということがベースにあります。
「良いものでなければ長く使えない」ということです。
それは子供のころから教育されます。
デンマークは資源が少ない国だということもあり、シンプルに生きると言う考え方を身に着けました。
リサイクル、エコ、ゴミ問題、燃料問題など、欧州の中でいち早く国が取り組み、国民が実践しています。
作ったもの、出したものは使い切る最後まで責任を取ります。
つまり、「責任を取れないものは減らそう」と言う事ですね。
デンマークを含む北欧では、豊かでないものの一つに陽の光があります。
北欧では、冬場の日照時間が短く、雨や雪で天候が悪いことが挙げられます。
前々回の冬に行ったコペンハーゲンでも、朝起きて真っ暗な中で一日の準備をし、
昼を食べて少し街を回ると、あっという間に暗くなるという感じでした。
それだけ暗いと、自然の光に対して飢えてくるのは当然です。
省エネやエコ、節約と言うと、なんとなく質素で窮屈、
楽しくないような感じを持つ方もいるかもしれませんが、
物質的な豊かさと、心の豊かさは、人によっては反比例していると思うでしょう。
生活の上での基本材料としておすすめする「良いもの」をそろえてしまえば、
あとは、最小限でシンプルに暮らせるほうが豊かで気楽だという事がわかります。
家と言う大きな買い物(消費でも投資でもある)をするにあたっては、
その最初の気持ちの、少しの差が大きな損失になるので、
私達はデンマークの考えを日本の住まいに取り込んでいます。
1.省エネであること
家づくりは難しく、とりあえずコレとかいう決め方が後々まで変わらないことがあります。
着工する前にしっかりと時間を取り、必ず見直していただきたいと思います。
特に断熱性と気密性については大事です。これが無いと家と人がもちません。
北欧の気候の話をしましたが、これまでのパッシブデザインだけでは足りません。
日本でも気象庁の札幌データをみると、冬2019年11月~2020年1月で晴れの日は平均「2.6日」
それ以外は雨、雪、曇りです。それだけしかちゃんとした日射の取得ができない状況ですので、
パッシブデザインにするのは勿論のこと、家の性能ついて最大限上げることを考えないといけません。
年間に使う冷暖房エネルギーを、最小限にできる構造に予めしておくことにより、
その費用が少なくなることはもちろん、人にも、取り巻く地球環境にも優しい住まいになります。
また、2015年国連が目標をかかげ、当社でも進めている「SDGs」にも積極的に貢献できます。
2.メンテナンスが少ないこと
健康的で耐久性のある素材を使う事により、解体や交換時に捨てるものも少なくなり、
非常にサスティナブルで耐久性のある家になります。
メンテナンスしないといけないというネガティブな事ではなく、
長持させる為に「ちゃんとメンテナンスが出来る」ポジティブな家なのです。
しかも、当社で使用する建材のほとんどがリサイクルもしくは、アップサイクルといって、
解体時に新たな価値を持つものに変わる、何度でも再利用が可能なものに変わるのです。
後にかかる費用が少なくなることは言うまでもありません。
3.ランニングコストがかからないこと
いまどこでも提唱し、少し曖昧な感じになってきた「高気密高断熱」ですが、
日本でいう高気密高断熱性能と、欧米レベルの性能は全然違います。
日本に住む人が感じる欧米国の家に対する印象はそれぞれです。
しかし、海外に行った人は感じたことがあるかもしれませんが、
実は日本の住宅は、欧米や近くでは中国など、同じような気候の地域にある住宅に比べて、
建築法も含めて10年以上遅れていています。
ただ、日本が世界でも進んでいる部分があります。
それは、エアコンや換気システムなどの電気製品とソーラーパネルなどの機械技術です。
しかし、それらを使用するにあたっても、生産時にも多くのエネルギーを使います。
ここ兵庫県でも南部はソーラーパネルを設置することもアリ(メンテナンスを無視すると)ですが、
北部と雨曇雪の日、札幌の冬では意味がないのです。
もちろん、メンテナンスは無視できません。
今日ではだれでも先ほど挙げた「家自体の性能を上げる」ことが必要になってきたと知ってはいますが、
私達のような建築関係でも、本当に感じているのは当社を含む少数の意識が高い建築会社やグループだけです。
大手メーカーやビルダーと言われるところにはそれほど普及していません。価値観が少し違います。
機械に頼って生きるのではなく、家自身が強く健康でないといけません。
先ほども書きましたが、そこに住む人がストレスや高額な支払いにより耐久性(免疫)が落ち、
健康で長生きできないこともあるかも知れません…。
結果、大事なことは家を人が生きている間以上にもたせるには質を上げること、
その為には全ての性能と機能を備えた「本物の家」を造っている「こだわりの会社」に相談すること、
一時的には考え疲れてもあとは楽です。最初に徹底的に考える事、考えてもらうことだと私達は考えます。
一部の会社でいまだに行われている「ローンが通ったから契約(申込み)しましょう」とか、
「若い今のうちにローンを組んだら楽です」とか絶対にありえません。非常に危険です。
大げさなようですが、家づくりとは人生においてそれぐらい大きな影響を与える事なのです。
家を創る時。
そこがそれぞれの人生、ライフスタイルを見直す良い機会かも知れません。
※写真は全室のデザイン、強度、日射を考えた段違いバルコニーが付くデンマークのマンション。
下部が先へ向かって上を向いているのがおわかりでしょうか。
デンマークの新築マンションを建設する際にはこうした配慮が必須です。
バルコニーはそこから景色を見る、陽に当たる、カフェを楽しむ為。
洗濯物は空気の綺麗な家の中、外には干しません。