断熱について書いてみたいと思います。

私たちが常に思っていることは、機能的で、本当に暖かく、涼しく、健康的で、

本当に心地よい家で一生を過ごしていただきたいと考えます。

そして、デザインが美しいこと。

室温でも書いたことですが『恒温恒湿』をキープする為には「超」高断熱が不可欠です。

（普及されている一般的な高断熱の家と分けるために超をつけています。）

11月から4月まで、１年の半分が寒い日本ですが、戸建ては寒いのが当たり前だと思っている方、

一般的な仕様より少し上（関西なら5・6地域、日当たり考慮、省エネ法でUA値0.87W/㎡･kほど）で

計画を薦められているかたも、再度ご検討いただけると良いかと思います。

私が初めて高断熱そして高気密の家を建てることになったのが阪神淡路大震災の年でした。

阪神間ならご存知の方も多いですが、おおよそ10万棟が全壊、14万棟が半壊しました。

私も、家族が無事だったとはいえ、実家は全壊、自宅マンションも半壊、友人も亡くなりましたので、

家とは、人の命とはいったいどういうものかについて深く考えた年でした。

その後、兵庫県の復興住宅事業として神戸市の六甲アイランドに輸入住宅展示場がオープンし、

当時、所属していた会社で出店した高気密高断熱住宅が【デンマークの家】でした。

外観、性能、家事動線まで非常によく考えらていて、勿論Hyggeなインテリア。

その当時の仕様でも、今あるハウスメーカーの性能を凌ぐ仕様でした。

断熱方法は、外壁にレンガ、内外壁にロックウールのダブル断熱（日本ではおそらく初）に、

基礎はベタ基礎、窓は木製サッシ、木製トップライト、2階の防音防振床、デンマーク瓦などです。

当時の日本では、

北欧系ではスウェーデン系で2×10、グラスウール245mmを使用する工務店（SWHではない）や、

スウェーデンのノルディスカトラヒュースという良い住宅会社が日本にもありましたが、

他に目立った会社はありませんでした。

その時の構造に似たものを、今やっと日本の各住宅会社がやろうとしています。

20年以上遅れてのスタートですね。

しかも、「大手ハウスメーカー」と言われる会社の構造や仕様はその当時からほとんど変わっていません。

断熱に関して否定していたのに、最近そのポリシーをがらっと変えたメーカーも多くあります。

性能が中クラスのまま、ブランド？？というか、コマーシャルでの印象づくりと、

どんな箱でも暖かく過ごせるだろう機械設備に頼ってなんとかなるというレベルの状態です。

特に鉄骨系は、これからよりつじつま合わせをするのがしんどくなるでしょう。

また、まだ住宅の低い性能を高性能で高価な機械で補っている状態ですから、

それを設置する費用と、動かすためのランニングコストがかかるのは当たり前です。

「ゼロなんとかで電気代チャラ」も、少し前からするとマシではありますが、

機械に頼りきって快適性を上げるのではなく、頼らなくてもよい仕様にすることが理想的です。

室内の温度差でおこる【ヒートショック】で亡くなられる方がまだまだ減らないのに、

建設業界のプロと呼ばれる人間が断熱や省エネに関心が無いのは困ります。

省エネ基準適合義務化が見送られたのも大きく関係していると思います。

見送りのニュースを見た時は、しないの⁉と、私の周りもあきれていました。

興味と言うか、断熱がまだ義務と言うまでは必要ないと思っています。

また、ヒートショックや寒い部屋が無くなると、当然のように医療費もかからないので、

全体をみると節約にもなります。

我々DANSK DESIGNは勿論、「デンマークファミリーハウスグループ」

（http://dfhg.org/newhouse/）のメンバーは、

昔から今まで高気密高断熱の分野で進化を遂げた北欧他の仕様を採用し、

日本に普及している大手北欧や国産のハウスメーカーより

はるかに上のデザインと断熱気密仕様になっていて、

断熱性能を表す外皮平均熱貫流率【UA値】に関して言いますと、

ご希望の間取りにもよりますが、以下の様になっています。

まず、国が2016年に定めた省エネ法がUA値＝0.87W/㎡･Kという低い数値です。

断熱性能が低い建物数が圧倒的に多いのでその位数値になっています。

しかも、ハウスメーカーの場合、よりハイスペックにしようとも、

その会社の仕様以外は対応してくれません。

次に、ZEH基準が0.6W/㎡･K、創エネが必要です。

HEAT20のG2グレードが0.46W/㎡･Kです。

私たちの仕様では

UW値が欧州パッシブ基準と同じ位、0.1W/㎡･Kという、世界でも最高レベルの基準を目指します。

同等の意味で、熱損失係数のQ値＝1.0W/㎡･K以下を切る仕様になるよう設計します。

20年前に働いていた北欧のモデルハウスでもQ値＝0.86W/㎡･Kでしたので、

それを上回る数値の設計をします。

実はそれよりも更に断熱性能を上げた【北極圏仕様】もあります。

その性能ベースがあるからこそ、本来の自由設計が可能になると言えます。

その為に断熱材もはるかに上の仕様になっていて、

その厚さだけで言うと、

一般的な在来工法の住宅が100mmのグラスウール、

普及している高級北欧住宅が120mmのグラスウール、

ローコスト系北米住宅が140mmのグラスウールに対して、

DANSK DESIGN 2020仕様では240mm～340mmのダブル断熱が標準です。

保温性能、断熱性能ほか数値が高いのは勿論、「安全」な断熱材で、

兵庫県産の『セルロースファイバー』と、

デンマークの『ロックウール』を内外に地域に合わせた厚さで使用します。

世界的にみると、お隣中国まで既に使用しなくなってきている発泡系の断熱材を使用し、

見た目の数値のみを上げている国産メーカーも多数ありますが、

魔法瓶のような家とよく聞きますが、自然の繊維系断熱材を使用し、

保温や調湿も考えた性能の家でなければいけません。

■中途半端な断熱住宅＝無断熱住宅＝無駄遣い住宅ともいえます。

デザインの良さだけでなく、高い性能も兼ね備えた住宅が必要です。