BLOGブログ
断熱性能を上げることが一番重要な課題ですが、
気密性能も上げることが必要です。
気密性能を上げると家はどうメリットがあるのか。
何年か前に、温房涼房がいいんですよという最低限の断熱施工をしている住宅会社があり、
普段から高気密高断熱住宅の家を建てているなか、「気密はとらなくていい。断熱も日本にはいらない」
と説明を受けたことがあり衝撃でした。ほとんど家にいないのであればそれも良いでしょうね。
他には、「日本は夏を旨としているので、窓の配置で風が通りやすい間取りであれば、それでいいんだ。
屋根も雨の音が聞こえて風流じゃないか」と言う和風住宅の会社もありました。
(高気密高断熱ができるように数年前から他ラインをつくった様です。)
大きく分けて夏と冬の日差しを考えた「パッシブ設計」により暑さ寒さを解消できる地域もありますが、
それだけでは日本の冬と夏をストレス無く快適に過ごすことはまず無理です。
少なくとも神戸で窓を開けっぱなしで寝ることが出来るのは5月以降の暖かい時期の、
マンション高層階や六甲山ぐらいかもしれません。それでも騒音や防犯の面では気になります。
しかし、いま先進国では住宅の高気密化、高断熱化が進んでいます。
耐震性、耐火性も必要ですが、気密性、断熱性も同じように必要なのです。
日本も今やっとヨーロッパやアメリカから何年も遅れてその流れに乗ろうと努力しています。
高気密化することで得られるメリットの一つは防音性能が上がる事です。
欧州を周って訪れた工場やオフィス、個人宅、学校でも本当に静かです!
単純にほとんどの家で使用されている引違いサッシを、木製サッシに変えるだけで、
隙間からの音漏れをかなり抑えることが出来ます。
あと、単純に断熱材を発泡系から繊維系に変えるだけでも変わります。
当社では防音以外の効果も高いセルロースファイバーを使用します。
逆に高気密化しないと、家に様々な不調が現れます。
人やペット、調理時、お風呂上り、植物からは1日に5~10ℓの水蒸気が発生します。
それを高性能な換気システムやエアコンを使用して適度な分だけ残して上手く外へ出す必要があります。
なぜなら、余分な湿気は室内にカビの発生を促しダニなど増やすので健康に良くありません。
ペットを飼われているならより関係してきます。
室内壁や無垢材などでも調整はできますが、スポンジと一緒でいっぱいになると溢れます。
その調整を上手くできるかどうかです。
では、室内で発生した湿気はどこへ行っているのか。
気密が悪いと、床や壁と壁とのつなぎ目などへ漏れていきます。
季節によって外に抜けていく分と、外から入ってくる分が壁の中や、
床の中に入っていき、木を腐らせたり、カビを発生させてしまうのです。
特に透湿性の悪い断熱材を使うとその表面で結露したりして、
壁や床の中、特にアルミサッシを使っていると、窓まわりが最悪の状況になることもあります。
古いマンションのリフォーム時には和室の窓まわりに使用している木が黒くなったり、
白くなったりと、今まで見た半数の家にカビが生えています。
壁紙を貼った石膏ボードの裏とコンクリートの外壁間も黒くなっていることが多いです。
ですので、新築時には気密性能を上げ、できるだけ隙間の無い家にすることが必要なのです。
気密性能を測る方法としては、全体の隙間を専用の機械にて計測します。
いわゆる気密測定です。これを当社では2回行っています。
次に、出てきた数字を床面積で割ります。
そうすると、家全での隙間がどれぐらいなのかが出てきます。
これをC値(相当隙間面積)と言い、単位は㎝で表します。
簡単に言うと、C値=1.0㎝/㎡だとすると、
家全体の床面積が100㎡(30坪)の家では10㎝×10㎝の穴が空いていることになります。
結構な大きさですね。
ダンスクデザインでは、設計での日射取得なども考えた設計の工夫と高気密高断熱化により、
その約1/5以下、C値=0.2㎝/㎡以下、UA値=0.2W/㎡K、暖房負荷=10KWh/㎡を目標数値としています。